マリンタロット物語

mikoto

新しい主人公・ミコトを迎えて2004年からスタートした、
ちょっとだけ☆マーメイドの新シリーズです。
2004年4月号から2006年3月号まで、「小学三年生」で連載しました。

何をやってもドジで、
そのせいですっかり自分に自信を無くしている女の子・海野 命(ミコト)。
海が大好きなミコトはある日、ふしぎな力を宿したマリンタロットと出会います。
一枚に一人ずつ、人魚の精霊が住んでいる特別なカード…
それが、マリンタロットです。
精霊たちはミコトに占いを教え、様々な助言をくれるのでした。

ある日、ミコトはカモメに似た大きな翼を持った、不思議な少年に出会います。
どことなく、初恋の男の子・セイに似た彼は、いったい何者なのでしょうか?

セイとの恋を通して、そしてマリンタロットからもらった勇気で、内気な少女ミコトはやがて、その心の中に小さな勇気を育てていくのです。

 

マリンタロット物語は、ほかのシリーズと違い、
愛や冒険でなく、「成長」をテーマとした作品です。
また、フルカラー(2004年9月を除く)での連載だったため、
カードやマーメイドたちの世界がとてもきらびやかで美しかったことも見どころの一つです。
この作品は、小学館ネットと学年誌で同時展開するという点でも、初めての試みでした。
2004-2006年までの2年間、
ネット上では毎月季節ごとにさまざまなマーメイドが登場し、
タロンやミコトとおしゃべりできるお便りコーナーもありました。
ネットの内容も、デザイン・レイアウト・壁紙・お便りコーナー等、
すべてマイアディーガのメンバーたちが担当しました。

ちょっぴり違った二つのシリーズがあります。

 

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2004シーズン「ホライズンタロット編」

ちょっとだけマーメイドは、
タロットカードで様々な人魚に変身できる物語ですが、
このシリーズでは初めて、カードで変身ができません。
ミコトは、カードの中に住んでいる小さなマーメイドたちの力を借りて、事件を解決していきます。
物語の終盤ではタロットの持つ変身の力が解放されますが、
それはミコト自身の成長と自覚によるもの。
変身するためには持ち主が成長し、カード本来の力を目覚めさせなければならないのです。
変身できる人魚が
「メインマーメイド」一種のみというのも、この物語が初めてです。
そのほかにも、マーメイドがたくさん登場するなど、
このシリーズ独自の新しい特徴がたくさんあります。

またシリーズ名となっている「ホライズン」は、
これまでのシリーズ同様、スペシャルカード(0番のカード)の名前であり、同時にデッキ名でもあります。
ただし0番のカードは、これまで一度も公開されていません。

 

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2005シーズン「メタモルフォーゼ編」

ホライズン編とおなじく、ミコトとセイが主人公です。
ただし続編ではなく、別バージョンでの新しい物語となります。
スペクトラムミラージュの関係と同じですね。

ミラージュが白いタロットにバトンを渡したように、
白いタロットはこのメタモルフォーゼにバトンを手渡しました。
ミコトはミナミの学校の三年生で、
白いタロット編の最後には
タロンからカードをさずかる場面も登場しているんです。
つまりマリンタロットは、
ミラージュ編→白いタロット編→メタモルフォーゼ編
の三作の中では、「すべて同じカード」だということになります。

この物語最大の特徴は、
なんとタロン以外のタロットの精霊が出現すること…!

そして、主人公以外にマリンタロットの持ち主が登場することです!!

マリンタロットは「世界に一つではない」ことが初めてわかります。

そしてこの新しい精霊「マロン」が、
マリンタロットの新シリーズに、バトンを渡すキャラクターとなります。

しかし、メタモルフォーゼ編の最大の特徴は、主人公ミコトの心の成長です。
みおも、そしてミナミも、タロットを通じて大きく成長した様子が描かれていましたが、ミコトの場合は実際に月を追うごとに、一つ一つ階段を上っていく様子が目に見えてわかるのです。
すぐにあきらめてしまい、そんな自分を嫌っていたミコトは、次第にがんばることの大切さを覚え、自分の気持ちを口に出す勇気を身につけます。
最後は自らの意思で、「ひとりで」がんばることを選択しさえするのです──
ミコトの劇的な成長こそ
「メタモルフォーゼ」=「脱皮」のテーマを表すもので、
このメタモルフォーゼデッキは、「自分を変えたい」「今の自分は嫌い…」と思うすべての人にとって、力強い味方なのです。

スペシャルカードは「エンプティ」という絵のないカード(未公開)で、
デッキ名シリーズ名=スペシャルカードではない、初めてのデッキです。